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なぜか「うろつき童子」はことごとく総集篇っぽいものが出ています。中には本編にはない追加シーンがあったり、セリフが差し替えられてたりもします。放浪篇などは本編にはなかった結末が追加されているため、こっちをみないと意味がわからなかったりもします。

超神伝説うろつき童子
オリジナル劇場公開版


・初期三部作を一本にまとめた、最初の劇場版。X指定からR指定にするために、エロ関係の描写はかなりカットされてます。が、編集のセンスがいいのか、総集編にありがちな「前後のつながりが全然わからないまま名シーンだけをピックアップ」するようなものではなく、単体の作品としても評価できます。

・ちなみに水角獣が手下に指令を下すシーンが新規に追加されてます。

・第二話にあたる部分はかなり編集され、バトルシーン中心になってます。明美や南雲の顔もOVA第二話はダンゴっ鼻っぽい顔なのですが、何カットか描き直されてました。セリフまわりも細かい所でかなり修正が入ってますね。

・ラストの超神の台詞はかなり変更。OVAでは最後まで子供の声で、笑いながら南雲と明美をパパ・ママと呼んでいたせいでちょっと不気味な印象がありましたが、劇場版では途中で大人の声になり、より冷静で論理的っぽいイメージになってます。「数世紀のちに復活」「南雲と明美は元の姿で〜」は変更され、「100年後に復活」「三界の住人は再び蘇る」になってるので、実は最後の天邪鬼の台詞が微妙に通らなかったり。


真・超神伝説うろつき童子 魔胎伝
インターナショナル完全版


・うろつき童子が海外で高い評価を得たため、魔胎伝も完全版として編集されました。新たにミュンヒハウゼンの学生の頃の話、女教師を贄に虎鵬鬼を呼び出すシーンが追加されています。

・あと、一応100カットほどリテイクされてるようですが……気がつかなかったなあ(笑)。

・それにしても、インターナショナルって一体……

・豆知識。魔胎伝インタはLD単巻での発売はされておらず、LD-BOXの「Special Collection」に収録されています。が、VHS版とは違い、なぜか最初のボブ娘のシーンのボカシが復活しています。ちなみにこのLD-BOX、初期三部作に関しても修正が単巻のものよりキツくなってる模様。発売時に何かの規制でも入ったんですかね?


超神伝説うろつき童子 未来篇
ディレクターズ・エディション


・未来篇全4巻の総集編。基本的にエロシーンはアレクトーのものだけと思って間違いなし。過去、超神にアレクトーが殺されるところをプロローグに持ってきたり、いろいろ凝った編集ではあるんですが……う〜ん、あまり見るべき所はないなあ。


超神伝説うろつき童子 放浪篇
邪淫姦全版


・↑ビデオジャケットの鉛筆画がかなりいい味を出してます。そこだけ見るとアダルトアニメの絵とは思えませんな。

・放浪篇全3巻の総集編。追加シーンとしてラストに下記のようなシーンが追加されてます。

大阪城の上空で出会う超神と狂王。二人はお互いを求め合う。が、その最中に超神は本性を現す。実は超神は偽者で、魔界の王が化けていたのだった。魔界の王は狂王の力を手に入れ、超神を超えるものとなって世界を支配しようとしたのだ。ヒミを犯す魔界の王。しかし、突然ヒミの様子が変わった。更なる成長を遂げ、ヒミは逆に魔界の王を責めたてる。その圧倒的な力の前に魔界の王は滅び去っていった。そしてその時、世界は真っ白な光に包まれる……。

スクリーンショットによる追加シーン紹介


超神伝説うろつき童子 狂王篇
劇場V2 狂殺魔獣伝


・↑ビデオジャケットの狂王がエロくて素敵。

・狂王篇ということで、魔胎伝〜未来篇〜放浪篇を編集。OVAだと5時間をゆうに越える素材を2時間に無理矢理収めようとしたせいで、色々と問題の多い出来です……。

・最初の10分は当然のごとく(笑)初期三部作の南雲と明美のシーンから天邪鬼が吼えるまでのダイジェスト。

・魔胎伝はその後10分に集約。とは言え、ミュンヒハウゼンのお目見え以外の何者でもなく、武明と恵のストーリーは無視。武明のたの字も出てきません。ただの魔人と同じ扱いにされてます。最後の摩天楼の儀式の部分だけ持ってきて、「ミュンヒハウゼンが恵の力を使って狂王を復活させようとしたが、天邪鬼に阻止された」というだけの話に略されちゃってます。

・未来篇はその後50分程度。はっきり言って惨い編集。かわいそうなのはアレクトーで、最初に武獣と結ばれ、シーザー軍によって殺されてからの復活はなし。なので、シーザーがアレクトーを思いながら過去を振り返るシーンもなければ、武獣vsシーザーの「お嬢さんを僕に下さい」バトルもなし。ラストの悲しい別れもなし。ヒミがシーザーズパレスにさらわれる展開もなく、武獣を助けたときにいきなり少女として登場(辻褄あわせのための追加シーンあり)。シーザーズパレスの反乱(ここもアレクトー陵辱シーンがないせいで、シーザーの暴走もなく、いきなりマケモノに殺されるシーザーが哀れ……)を経て、いきなり武獣の旅立ちのシーンになってしまいます。

・放浪篇は第三話のみ。プラスして邪淫姦全版にあった偽超神vs狂王のシーンも収録。ただし、ラストは天邪鬼が過去の大阪を見て驚くシーンではなく、ヒミの体から輝く粒子が大阪城を包んでいくシーンで終了。

・う〜ん……魔胎伝にしろ未来編にしろ、必要な要素を全部すっとばしてしまった最悪の編集です。唯一「辻褄あわせのヒミのシーンがかわいい」という所だけ見所といえば見所(笑)。(※こっちにキャプ画像あり)

・うろつき童子って南雲と明美にしろ、武明と恵にしろ、武獣とアレクトーにしろ、ケンとユミにしろ、愛し合いながらも悲劇的に引き裂かれるようなカップルが多く、それも裏テーマだと思ってますから……。そういうのを一切無視した編集はかなりつらいかも。

・最大の謎はタイトルの「劇場」の文字。その答はジャケの説明に! ……「劇場級に編集」って言われてもなあ。結局、別に劇場版でもなんでもなかったというオチでした。