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2002年よりリリースされた新シリーズが『THE UROTSUKI』です。基本的には初期三部作をベースに、より今風にアレンジしたものと思って間違いないでしょう。ただし、名前だけ同じでキャラクター設定がまるっきり違うキャラばかりなので、かなり大胆なリメイクではあります。

なんと、『THE UROTSUKI』の主人公は尾崎です。初期三部作と同様、超神の力に振り回され、最後は超神と間違われたせいで死んでいく(いきなりネタばれ)わけですが、『THE UROTSUKI』では尾崎に「南雲の幼馴染」&「ボクシング部エース」&「脳腫瘍による死の予感」&「マネージャー百合との悲恋」という新設定を与えています。(旧シリーズではただの好きモノだったのですが、いきなりヒーロー色あふれる設定ですな)

さて『THE UROTSUKI』全3巻は、初期三部作で言うところの第一話に当たり、南雲の覚醒までを描いています。つまりまだ物語としては始まったばかりで、この後も続いていくはずだったのか様々な伏線が張りっぱなしになっています。しかしリリースは結局三巻止まりでした。
旧シリーズが出ていた当時とは違い、今のアダルトアニメ業界はHシーンそのものが目的になってしまっているため、厳しい勝負だったのかもしれません。決して出来が悪いわけではないんですが、どことなく中途半端で……。展開もかなり遅いので、旧作にあった疾走感もありませんし。

うーん、それでもきっちり伏線を消化して三界崩壊まで描ききれば、それなりに面白そうなものになる予感はするのですが……。惜しいです。

第一章


[ストーリー]

獣人界の重罪人・天邪鬼は免罪と引き換えに、魔界に行き超神伝説の手がかりを探すよう命じられる。魔界に行った天邪鬼はそこで魔界の女王・幻妖妃に会い、その恐ろしいまでの色気にあてられて激しい交わりを交わす。しかし、二人が絶頂に達したとき、幻妖妃は天邪鬼の力を利用して封印を解き、人間界への道を開く。
そして300年後、人間界。
『天タコ』というタコ焼き屋を営業しながら超神を探し続ける天邪鬼。同様に超神を抹殺するために暗躍する幻妖妃とその配下の魔界五人衆。明神学園ボクシング部のエース尾崎と、その幼馴染の南雲。ボクシング部マネージャーで尾崎に心を寄せる百合。南雲に淡い思いを寄せる美佳。
彼らを中心に、物語は動き始めようとしていた。


[ひとことツッコミ]

・囚われた天邪鬼の前に現れる獣王の娘ミミ。旧シリーズとは違い、勝気なお嬢様っぽくなっています。天邪鬼との子供時代の思い出なんかもあり、きっとシリーズが続いてたら青幻姫とのやりあいなんかもあったのかなあ、と推測。

・幻妖妃の色気の前に我慢が効かなくなる天邪鬼。実は天邪鬼が欲望にかられてSEXするのは旧シリーズから通して初めて。しかし、どうやら幻妖妃はやってきた獣人とSEXしてはその力を吸い取っていたらしく、天邪鬼の父親もその犠牲になった模様。天邪鬼が生きていたのは奇跡かも。

・ところで、魔界の女王って実は旧シリーズでも声だけ出ていて、水角獣に指令を与えていました。が、結局姿は出ずじまい。もしもこんな女王だったら、「狂王篇」で偽超神に化けた魔界の王はきっと尻にしかれていたに違いない。あ、だからヒミに恋焦がれてたのか(笑)。

・偽超神の事が出たついでに。大学病院で先生に化け、研究員を陵辱する土角竜。パッと見、こいつ偽超神に似てる気がします。ヤってる最中のバカっぽい面も含めて。ちなみに最後は研究員の体を中から突き破るという、旧シリーズの看護婦さんを髣髴とさせるスプラッタ描写を見せてくれましたが、これもファンサービスなのだろうか……?

・エーと、細かい突っ込みですが。尾崎にレイプされている最中の百合。アップの時メガネがなくなってます。作画ミスだろうなあ。

  ◆THE UROTSUKI 第二章